果ての荒野でバカンスを 感想(ネタバレなし)|愛と呪いはいつもそばにあるのかもしれない

4_ひとクセあるBL

作品詳細
✍️作者:赤河左岸先生
🏢出版社(発行):リブレ
📖レーベル:ビーボーイコミックスデラックス
📚巻数:全1巻

3つの読み切りを収録した短編集です。
どの話も、切なくて美しい独特の世界観が魅力の作品です。

1作品目『ふたりぼっちのエバーアフター』


物語は、愛する人に呪いをかけるシーンから始まります。
最初・途中・最後 どこからが現実でどこからが妄想なのか、
予想不能、意表を突かれる展開の連続にドキドキしてしまいます。

2作品目『蛙の王子様』


このタイトルに色んなメッセージが詰まっているなと思います。
蛙化現象、昔話にある美しい青年が魔女に魔法をかけられて蛙になるなど、
「蛙」には作者の色々な想いが込められていそうです。
主人公は、誰もがうらやむ完璧な容姿で生まれた少年。
自分の見た目を褒められて、吐いてしまう場面から始まります。
少年は、生まれながらにして美しさという呪いをかけられています。


1・2作品目の共通点は、他人や自分が自分にかけてしまう「呪い」がテーマだと思います。
また、多くの人が考える幸せと自分が思い描く幸せが違う「苦しさ」や「孤独」もサブテーマにあるのではないかなと思います。

3作品目 表題作『果ての荒野でバカンスを』

この作品は、短編であるにも関わらず1つの映画を見ているような衝撃的な展開です。

設定は、地球以外に住む場所を求めて宇宙開拓が始まった近未来の話です。
惑星開拓の任務についているシンは、
毎日、地球にいる友人で技術者のルキヤに定期報告をしています。


3年近く経つとさすがに孤独を感じるようになります。
そして、夜ごとルキヤを想いながら、帰還して想いを伝える日を待ち望んでいました。

そして、遂に自分の誕生日でもあり地球に帰還する日を迎えたシン。
通信した先で待っていたのは…
衝撃のラストは、ぜひ自分の目で確かめてみてください。

読み終わると色々な感情が溢れる作品で、3つの中でも私は1番好きです。
表紙の二人を見ると涙出てきます。

1冊の中に、時代背景も境遇も違うのに、共通する普遍的なテーマを書いているところが
この赤河左岸先生のすごいところだと思います。
まだ、他には作品を出版されていないようですが、独特の世界観は唯一無二だと思います。
これからの活躍に期待大です!

こんな人におすすめ

・1冊で色んな世界観を味わいたい人
・切なさと美しさが両立した物語が好きな人
・ラストに衝撃を受けるような展開が好きな人

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