神様なんか信じない僕らのエデン 感想(ネタバレなし)|特濃!人類初のαとΩの物語

2_色気と濃度高めBL

作品詳細
✍️作者:一ノ瀬ゆま
🏢出版社(発行):リブレ
📖レーベル:ビーボーイコミックス デラックス
📚巻数:上下巻+2巻の計4巻(以降も連載中)

── 題名に込められたメッセージ

「神様」 「僕らのエデン」

神話に詳しくないながらも、
これらのキーワードから

「無垢な最初の人類 アダムとイヴ」

「禁断の果実を食べて楽園を追放される」

そんなことを連想して読み始めました。

それじゃあ、楽園を追放する神様って誰の、何のことなんだろう…
そんなことを考えながら読んだ時、
私の頭に最初に思い浮かんだのは「倫理観」でした。

生物は、雌雄(男女)で愛し合って種を残すのが自然
子供は親に心配かけずに勉学に励むべき
このような倫理観に逆らっても構わないから
「用意された未来(楽園)ではなく、僕らの楽園(エデン)を見つけるんだ。」

そんな、強いメッセージが込められているような気がしました。

── 現代のアダムとイヴ

作中でアダムとイヴを指すのが本作の主人公の2人。

この世界ではないパラレルワールドの日本。
オメガバースという概念すら存在しない世界で、人類初のα×Ωが発言してしまった高校生。

1人は医者の息子で、何不自由なく育ってきた喬 織人(たかいしきと)。
実はとてつもなく優秀だが、彼の本能が隠して生きた方が賢いと囁きかけ、目立たぬように過ごしていた。
織人にとって、人間関係はどうでも良かった。
不思議にあふれた世界について知ることのほうがずっと大事だったから。

あまり人間に興味のない織人が、唯一関心をもっていたのが
もう1人の主人公でクラスメイトの西央 凛々斗(にしお りりと)だった。
誰もが目を惹く美少年で、かつ性格も良い一軍男子。

一見すると、どこにも接点のない2人。

そんな2人に大きな転機が訪れる。
体調不良で倒れた凛々斗から、異常なほどに引き込まれる香りを感じてしまう織人。
2人は理性のブレーキが効かず、なだれ込むように体育倉庫で秘密の関係をもってしまう。
しかも一週間という長い期間。お互いのことしか考えられなくなってしまうほどに。

動物の発情期みたいに相手のことを貪るように求めてしまう。
平熱が上がったり、体の器官が急に作り替えられたりするようになる。
ある日高校生の2人が、自分たちではどうにもできない体の変化に翻弄されていく。

── 禁断の果実 ifの世界

このまま少子化・人口減少が続いたとき、人類は変化に適応するために同性でも妊娠が可能になる。
そんなありそうでない、ifの世界の話…
この2人だけでなく、世界中で若者の生態が少しずつ変わってきているという描写もところどころに現れます。

禁断の果実は、別名「知識の実」とも言われるそうですね。
果実を食べずにいたら、神様に管理されて何も考えずに平穏にすごせたはず。
でも、「知識の実」を食べたことで、善悪の判断や自我が芽生えていく。

思考停止ではない分、自分で選択できる自由や喜びがある。
…けれど同時に苦しみも伴う。

前例のない出来事、大人に教わったことでは通用しない事態に立ち向かう2人が
大人になっていく過程を表しているようです。

この作品を一言で表すと
『特濃』
ひとあじ違う世界観、ストーリー、画力、心情描写、濃度

全ての要素をてんこ盛りにした作品です。
例えるなら◯郎系ラーメン、天下◯品みたいな感じ(笑)
まさに特濃!

実は私には、大好きだけど何度も読めない漫画ってあるんですね。
スラムダンクや宇宙兄弟、鋼の錬金術士などです。

…いわゆる名作。レジェンド作品。

夜中になんか読んじゃうと、カーーーッと熱くなって、
思わず家を飛び出して走り出したくなるような情熱が溢れ出てしまう作品たち。

この作品は、間違いなくBL界のレジェンド作品です。
圧倒的なパワーに当てられるので、元気な時に読むと良いと思います😁

──こんな人におすすめ

・オメガバースの「起源」を描いた、新鮮な世界観が読みたい人
・理屈と本能のはざまで揺れる、不器用な恋愛模様が好きな人
・セリフよりも”間”で感情を語る、繊細な心理描写が好きな人
・BL界のレジェンド作品ともいえる圧倒的なパワーを体感したい人

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