
いつか絶対に紹介したいと思っていました。
私の中で、五本の指に入るくらい大好きなBL作品です。
前回の投稿で、
エロさには①色気と②濃度があると書きました。
そのどちらも兼ね備えた最高の作品なんです。
でも
色気があるからこそ、濃度が際立つ。
この漫画の真骨頂は、
“色気の描き方”にあると思っています。
タイトルは南くんですが、
物語の視点はどちらかというと烏丸くん側。
烏丸くんは、
感情表現が得意ではなく、
人気者の兄と比べられて育ちました。
友達も少なく、
何かを諦めることにも慣れてしまっている。
そんな彼の居場所は、
趣味のゲーム制作。
そしてネットでは
「kou」という名義で
シチュエーションボイスを配信しています。
ある日、大学で人気者の南くんと知り合います。
兄と同じ“人気者”なのに、
自分の趣味にちゃんと関心を持ってくれる。
どこか、兄とは違う。
そう感じ始めた矢先――
烏丸くんは突然、南くんから避けられるようになります。
その理由。
実は南くん、
かなりコアな「kou」のファンだったのです。
声が好きすぎて、
その声でしか反応できないほど。
大勢から好かれる彼にとって、
自分は“唯一”の存在かもしれない。
そこに一瞬、優越感を覚えてしまう。
はじめは、ただそれだけ。
烏丸くんは、
声で南くんを手伝うことになるのです。
この作品、色気がすごいと書きましたよね。
1巻は、ほとんど身体の触れ合いがありません。
なのに、
とんでもなく色っぽい。
視線。
間。
呼吸。
声。
触れていないからこそ、
余白が濃くなる。
そして関係が深まるほど、
眼差しや仕草に色気をまとわせていく。
それが、本当に見事なんです。
「好きな人に釣り合う自分でいたい」
この気持ちが、
人をこんなにも変える。
好きになることは、
弱くなることでもあるけれど、
同時に強くなることでもある。
読んでいて、
勇気と優しさをもらえる作品です。
色気と純粋さが共存する、
とても尊い物語。
「声」だけで、ここまで心が乱される物語があるなんて。
こんな人におすすめ
・色気重視だけど、ただ濃厚なだけでは物足りない人
・視線や間、声といった“触れていない色気”に弱い人
・自信のない攻め(または受け)が成長していく物語が好きな人
・「唯一」という言葉にときめいてしまう人


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