
「俺なんか」とどこかで思いながら生きてきた山田が、
初めて“ちゃんと見てもらえた”と感じるまでの物語。
職場に、どうしても苦手な人間がいる。
山田にとって、それが瀧宮だった。
誰からも好かれて、場の空気を軽やかに泳いでいく。
そういう人種が、山田は昔からどうにも得意じゃない。
距離を置いて、関わらないようにしていた。
はずだった。
なのに瀧宮は、ぐいぐい来る。
柔らかく、でも確実に。
どんな関係性? しんどい? 甘い?
一言では言えない。それがこの作品の面白さ。
しんどさと甘さが、ちょうどいい温度で混ざり合っている。
序盤は戸惑いと距離感が続くけれど、
読み進めるうちに、じわじわと胸の奥が温かくなってくる。
この作品の魅力
きっとあなたの“好き”に刺さる。
リーマンBLが好きな人なら、まず絵柄に引き込まれると思う。
決して派手じゃない。でも、表情の解像度がとにかく高い。
山田が心の中でぐるぐる葛藤している瞬間も、
瀧宮がふと本音を見せる瞬間も、
セリフよりも先に顔が語りかけてくる。
そして何より、この作品は
「なぜ好きになったか」「なぜ心を開こうと思ったか」の動機が丁寧に描かれている。
衝動じゃなくて、積み重ね。
だから読んでいて、
二人の関係が深まっていく過程が
すごくリアルに感じられる。
瀧宮は「媚びない、人の機嫌を伺って愛想よくする」ということをしない
筋の通った山田のあり方に、ちゃんと向き合ってくる。
山田から見たら「全然違う世界に住んでいる人間」
だったはずの瀧宮が、
実は思っていたのと全然違う人間だった
と気づいていく過程。
そこが、じんわりと刺さる。
こんな人におすすめ
・リーマンBLが好き
・派手な展開よりも、関係性の変化をじっくり味わいたい
・「自分なんか」と周りに劣等感をもちがしの人
・大人の静かで誠実な甘さに浸りたい
買う価値ある?
派手さはない。
でも読み終えたあと、
「やっと居場所を見つけた」ような静かな安心が残る。
大人の、誠実でやさしい恋愛が好きな人にこそ、読んでほしい一冊です。
▼この作品を読む
〔書影+リンク〕(4月から)
※このブログでは、実際に読んで
「お金を出してもよかった。」と思えた作品だけを紹介しています。
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