
「開発」という言葉が、
どこか冷淡で、ドライな印象を与えるのは、
きっと気のせいではないと思います。
アジェンダを立て、
機械的にスキルを上げる。
その姿は、
誰かと向き合うためというよりも、
感情を切り離すための作業のようにも見える。
かつて好きだった相手を、
「復讐相手」と呼ばなければ、
自分を保てないほどの苦しさ。
それは、
なつめさんが
感情を切り離さなければ
前に進めなかった証のようでした。
でも、
自分の余裕のなさが、
相手に
「拒否された」
と思わせてしまっていたのかもしれない。
その事実に気づいたとき、
なつめさんの心は、
少しずつ、
“開発”ではなく
“ひらかれて”いく。
いつも受容的な態度のコウですが、
眼鏡や髪型で、
相手をどこまで受け止めるかの
スイッチを切り替えているように見えるのも、
印象的でした。
仕事として向き合うときと、
“自分”として相手に触れるとき。
その境界を、
なつめさんを前にしたとき、
無自覚に飛び越えてしまったのかもしれません。
恋は、
自分ひとりでもできるもの。
でも、
愛はきっと、相手の反応を見つめて、
好きなことや、嫌いなことを
少しずつ知っていくこと。
そんなふうに、
静かに教えてくれる作品です。
人は、
愛されて、
大切にされることで、
少しずつ柔らかくなっていく。
マミタ先生の描く絵は、表情が本当に秀逸で
ページをめくるごとに、
なつめさんの強張りがほどけていく様子、
コウくんのまなざしの変化に、
胸がぎゅっと締めつけられます。
こんな人におすすめ
・過去の恋で傷ついて、
気持ちを切り離さないと前に進めなかった経験がある人
・受け身でいることが、
時に誤解を生んでしまう苦しさを知っている人
・派手な展開よりも、
心がひらかれていく過程を丁寧に描いたBLが好きな人
・誰かに大切にされることで、
人は少しずつ柔らかくなれると信じたい人
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