涙が出そうなほどあたたかくて、
飛んで帰りたくなる場所。
それは君がいるところ。

東京で自由に暮らす巴と、
田舎で大家族に囲まれて育ったマル。
生き方も、立ち居振る舞いも、
まったく違う二人が
ひょんなことからルームシェアを始めます。
最初はマルにまったく関心を持たない巴。
でも、マルが作った具沢山のお味噌汁をきっかけに、
二人は少しずつ言葉を交わすようになります。
この作品で印象的なのは、巴という人物の複雑さです。
クールで自立しているように見えて、
実はずっと「居場所」を探していた。
マルと歩き、食べ、ぶつかり合ううちに、
じわじわとそれが見えてきます。
そしてマルもまた、不器用なりに真剣です。
作中でマルはこんなことを言います。
「離れててもお互いの気持ちが一緒なら、
ずっと一緒にいることになんないすかね。
気持ちがつながってたら、
絶対のお別れなんてないすよ。」
読んだとき、ふと思いました。
一緒にいなくても、相手を失うことにはならない。
だから大切なものを、安心して見つけていいんだと。
居場所って、具体的な「場所」じゃないのかもしれない。
お金より、映える生活より、
そんなふうに思える誰かがいる人が、
きっと幸せなんだと思います。
食べて歩いて向き合って、
自分の居場所を見つける物語。
ぜひご覧ください。
この作品がおすすめのひと
・心がじんわりあたたかくなるBLを読みたい人
・食べることや日常の時間が大切に描かれる物語が好きな人
・派手な展開より、関係が少しずつ変わっていくBLが好きな人
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