本当に叶えたい願いは、ひとつだった。
10のリストの先にあった、本音の話。

今日紹介するのは、『40までにしたい10のこと(1巻)』です。
2025年にテレビドラマ化され、
作品を知ったという人も多いのではないでしょうか。
メインキャストが風間俊介さんと聞いたとき、
まず思ったのが、「イメージぴったりすぎる…」です。
この作品を丁寧に扱おうとする、ドラマチームの本気度を感じましたね。
庄司浩平さんもとてもよかったですね。
スマートさと熱さを併せ持った、素敵な俳優さんが
また一人、世に「出土」されましたね(笑)。
──作中のセリフを借りるなら、まさにそんな感覚でした。
ドラマがヒットした今だからこそ、
原作をじっくり、静かに深掘りしたい。
そんな気持ちで、あらためて読み返しました。
この作品を読んで、まず思ったことがあります。
「リアルすぎるでしょ!」
もうね、
これは“すべての大人のためのカウンセリング”。
20代から30代へ。
30代から40代へ。
年齢を重ねるごとに、
悩みの種類は、確実に変わっていく。
30代前半までは、
気軽に飲みに行ける友人がいて、
仕事もまだ“追いかける側”でいられることが多い。
だから、
恋や結婚を器用に楽しんでいる同世代を見ても、
「自分は自分だ」
「この人生は、自分で選んでいる」
そう思えていた。
でも──
40を目前にしたとき、
ふと気づいてしまうんです。
周りは家庭を持ち、
生活の中心は、子どもや家族へと移っていく。
気軽に会える人はいなくなり、
目の前に残ったのは、
仕事しかしてこなかった自分。
どうしようもない孤独と、
言葉にできない焦燥感が、
静かに、でも確実に積み重なっていく。
さらに厄介なのは、
そんな状態が続くうちに、
自分の声や願いに、鈍感になってしまうこと。
「何がしたい?」と聞かれても、
すぐには答えが出なくなってくるんですよね。
正直になって、
やっと浮かび上がってきた本音は──
世界一周よりも、
出世や成功よりも、
恋人が欲しい。
誰かに触れられたい。
とても個人的で、
少し情けなくて、
でも、どうしようもなく切実な願いでした。
『40までにしたい10のこと』
タイトルだけを見ると
「やりたいことをリストを叶える話」に見えるかもしれません
でも実際に描かれているのは、
10の目標そのものではない気がします。
それはむしろ、
時間をかけて、自分の本音を思い出していく過程。
そして、
本当に欲しいのは
リストを一緒に叶えてくれる相手の存在
ではないでしょうか。
40代という年齢は、
うれしさよりも、
辛さや寂しさを隠すのが上手になる。
表面上は平気そうでも、
心の傷は、前よりもずっと治りにくい。
そんな“40代のリアル”が、
この作品には、とても誠実に描かれています。
この作品が心に残るのは、
ただ現実を突きつけるからではないと思います。
マミタさんの描く登場人物が、
どこか臆病で、不器用で、
それでも──
自分に正直になって
ほんの一歩だけ、前に進もうとしている。
その小さな勇気を、
そっと肯定してくれるストーリー。
「いつだって、
やりたいことを思い切りやっていいんだよ。」
そう、隣に座って励ましてくれるような作品だから。
それが『40までにしたい10のこと』の魅力だと私は思います。
こんな人におすすめ
・30代後半〜40代で、
ふとした瞬間に孤独を感じることがある人
・「この人生でよかったのかな」と、
夜に考えてしまうことがある人
・強くなりきれない自分を、
どこかで責めてしまっている人
・派手な展開よりも、
心の機微や沈黙を大切にしたBLが好きな人
・読後に、
少しだけ呼吸が楽になる物語を求めている人
※「やりたいことリスト」を終えた2人の、その後の物語は
2巻で描かれています。
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