
妹の代わりに嫁いだラムダンが、
抗おうとするほど
深く絡め取られていく物語です。
面白いの?
買う価値ある?
と聞かれたら、
迷わず「ある」と言えます。
胸が締めつけられるような緊張感はあります。
それでも、物語の奥には、
決して揺るがない愛が流れています。
資源の乏しい小さな村。
豪商の家への縁談が舞い込んだのは、
双子の妹・ララだった。
村の未来を背負わされた縁談。
でも、ララには好きな人がいる。
妹の幸せを誰より願っていた兄・ラムダンはある決断をする。
自分が、ララの身代わりに嫁ぐことを。
剣を隠し持ち、いざとなれば逃げ出すつもりで乗り込んだ婚家。
けれど、思い描いていた「逃走」は、あっけなく崩れる。
夫となった男・ウルジは、
ラムダンが男であることを知りながら、
それでも手を離さなかった。
なぜ、この男は自分を手放さないのか。
これは、いったい何なのか。
どんな関係性か、一言では言えません。
それがこの作品の面白さでもあって。
戸惑いと警戒を解けないラムダンの前で、
ウルジはただ静かに、全力で、愛を注ぎ続ける。
しんどい?甘い?
どちらも、です。
この作品の魅力
まず目に飛び込んでくるのは、
ためこう先生の圧倒的な画力。
異国情緒あふれる民族衣装、
砂漠の空気感、
光と影の使い方。
ページをめくるたびに、
どこか遠い国に迷い込んだような感覚に包まれます。
人物の描き分けも繊細で、同じ双子でも、
ラムダンとララの”違い”がちゃんと顔に、目に、宿っている。
そして何より、
表情の豊かさがこの作品の核心だと思います。
ラムダンが必死に隠そうとしている感情が、
ふとした瞬間ににじみ出る瞬間。
ウルジの眼差しが持つ、静かなのに激しい熱。
セリフよりも、絵が語りかけてくる場面が何度もあって、
気づいたらページから目が離せなくなっています。
BLという枠を超えた、他にはない世界観と物語の奥行き。
民族モノが好きな方にも、美麗な絵柄に惹かれる方にも、
そして「ただの恋愛もの」じゃなくて、
「居場所」や「家族」、「自分は何者か」
という問いが絡み合う物語が好きな方にも、
きっと刺さる一冊です。
おすすめしたい人
・絵の美しさに浸りながら読みたい人
・異国情緒あふれる世界観が好きな人
・不器用に感情を抑えているキャラクターが
攻略されていく過程にぐっとくる人。
1巻のラストは、
物語の展開を大きく変える人物の登場で終わります。
まずは1巻の試し読みから。
あの静かな熱を、ぜひ体感してみてください。


コメント