ヒーリングパラドックス 感想(ネタバレなし)|“癒したい”は愛か支配か

2_色気と濃度高めBL


※できれば、元気で余裕のあるときに読んでください。

主人公は癒されているのに、読者はけっこう削られます。笑

この作品は、読む人によって解釈が180度変わる物語だと思います。


一冊を友達と回し読みして、
ファミレスで感想戦をしたら、
軽く1時間は溶ける。

本当の名作って、そういう顔をしていますよね。
実は私も、読むたびに感想が変わります。

ページを開くのに、少し勇気がいる。
今回はどんな側面に気づいてしまうのか。

この感情のうねりに耐えられるのか。
そんな覚悟がいる作品です。

あくまで、これは私ひとりの解釈ですが。
この物語を一言で表すなら、
「執着」だと思います。

執着とは、
・強く思い込み、離れられないこと
・必要以上にこだわること
・手放したほうが楽なのに、握りしめ続けてしまう心の動き

仏教では、この“執着”こそが苦しみの原因だとされます。

世界は変わり続けるのに、
「変わらないでほしい」と願ってしまう。
それが、苦しみのはじまり。

何がなんでも手に入れたいものが、
目の前に現れたら。

私なら、きっと飛びついてしまう。
でも、この主人公は違う。

相手の熱量が自分と同じになるまで、
待つ。
耐える。

それを「落ちろ。落ちろ。」と。
祈るように、呪うように。

その姿は、
いじらしいのか、不憫なのか、

それとも恐ろしいのか。
感情が、ぐちゃぐちゃになる。


自分の時間は、すべて君のため。
譲れないものは、ただ一つ。
――だから
僕以外、必要としないで。

これは献身でしょうか。
それとも支配でしょうか。

「癒したい」という言葉は、とても優しい。
でも、
癒すことで必要とされたい。
役に立つことで、そばに居続けたい。

壊れている状態の君でいてほしいと、
どこかで願ってしまっているのだとしたら――?

この物語は、
愛を肯定も否定もしません。
ただ、突きつけてきます。

優しさと執着は、紙一重だということを。
そして、その境界線は
思っているよりもずっと曖昧だということを。

彼の行動は、愛だったのか。
それとも支配だったのか。

私はまだ、答えが出ません。
皆さんは、どう思いますか?

こんな人におすすめ
・「重めの心理戦」が好きな人
・執着、管理欲、独占欲というテーマに惹かれる人
・愛の綺麗な部分だけでなく、歪みも見つめたい人
・読後に“ざわっ”と考え続けてしまう物語が好きな人
・BLをエンタメとしてだけでなく、思想として味わいたい人

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